受験体験記

ブログをはじめて間もないが、やはりインターネットのすごさというべきか恐ろしさというべきか、意外とこんな陳腐な記事に目を通してくれる方が多い。知人にだけ読まれるものだと思っていた。

ということで、知人にとっては再掲ということになるが、受験体験記を寄稿してくれないかという要望に応え、所属していた学校に向けて書いた文章をブログにアップしようと思う。


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年が明けると共に始まった志望大学合格に向けた受験勉強は7ヵ月におよび、この7ヵ月はとても濃度の高い日々となった。勉強の面ではもちろんのこと、勉強以外のことも多く学んだ。その多くのすべてを書くことは不可能であるので、受験勉強を始めた頃の自分に言いたいことを書こうと思う。これを通して受験報告書とは一味違った形でこれから受験を迎える人たちの参考になればと、そう思う。

受験勉強を集中して取り組んでいくにあたって、なによりもまず自分に合った環境を見つけるということが大切のように思う。一口に環境と言っても考えられる要素はたくさんある。勉強する場所や時間、時間帯、入眠時間、睡眠時間、入浴の仕方、食事...etc. この時点でまず、勉強が習慣づいている人との差が如実に現れる。ぼくはここでかなり苦心し、最適な環境を見つけるまでに3ヵ月ほどかかってしまったが、それまで自分が集中していると思っていたものはたいしたことのないものであったことがわかり、本気で集中して勉強に取り組む、つまり真剣に勉強することの大切さを知ることになる。

はじめの頃は本気になって集中することのできる時間は短かったが、続けていくと次第に長くなっていった。体力がついていくような感覚である。そしてさらには、自分に合った環境の中でどれかいくつかの要素が欠けていたとしても集中ができるようになった。また自然と効率も上がっていったように思う。つまりは20歳になって集中の仕方がようやくわかったということである。これは受験当日においても、それまでの勉強量に匹敵するほど重宝した能力である。その甲斐もあって、合計6時間もある筆記試験を乗り越えられたように感じている。

受験に限った話ではないがなにかを達成しようと思えば、まず目標を定めそこから逆算してやるべきことを設定し、いかにしてその通りに行動できるかが鍵となる。ここで逆算するためには情報収集が欠かせない。そして、行動を興す際にこの深い集中力をもって取り組むことができればそれはもうこっちのものである。しかし、真剣に勉強すると言っても、受験勉強の期間は長い。毎日毎日十数時間も勉強のできる人であれば問題ないが、そういう人はおそらく少数派ではないだろうか。多数派である人で、長い長い受験勉強をコンスタントに真剣に取り組むために必要になってくるのが、メリハリである。やると決めれば絶対にやるし、やらないときは徹底的にやらない。しかし、このやるときとやらないときの時間のバランスは自分の中で折り合いをつけながら決めなければいけない。
一筋縄ではいかないことがほとんどであったが、とにかく、なににせよ、やるかやらないかのどちらかである。その間はない。受験に失敗しても人生が終わるわけではないので、視野を広く受験勉強に挑むと少しは気を楽にして取り組めるかもしれない。そういう意味では他人に流されずに自分を捉え直す機会であり、また、やることはやる、やるときはやる、ということの真意に気がつけた7ヶ月間でもあったといえるが、規則正しい生活を送り、自分の勉強法を確立している人には鼻で笑われてしまいそうである。

最後に、支えてくれた家族や友人や先生への感謝の意、勉強していくにつれて自分の非力さの再認識、そしてなによりも、したいことをするためには自分の道を自分で決めなければいけないという一種のあきらめがあったから、7ヶ月という短い期間ではあったものの謙虚に受験勉強に邁進することができたと思う。本当に謙虚であれば自分で自分のことを謙虚であるなどとは言わないかもしれないが、この謙虚に勉学に励むということが一番の肝であると感じた。そうすれば言わずとも集中力は高まっていくのではないだろうか。

受験勉強を始めた頃の自分に言いたいことをまとめたものであるが、これを自分の受験体験記とする。

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